舗装の疲労破壊輪数について

舗装厚を設計するにあたり、疲労破壊輪数というものがある。

これは、10年間のうちで5t換算のタイヤが舗装を踏みつける回数のことである。

設計期間10年の疲労破壊輪数

この疲労破壊輪数は、どのように定められたのか気になったので調べてみた。

舗装の設計法は、現在の方法(TA,CBRを用いた方法)に至るまでに2回の改訂があったようである。

① 『道路』日本道路協会、1968(S43).1 月号より、アスファルト舗装要綱改訂の記事

この当時は、A 交通(現N1~N4 交通)においては、3 トンの輪荷重が100 万回載荷すると破壊、B 交通(現N5 交通)においては、5 トン(49kN)の輪荷重が100 万回載荷すると破壊するという考え方であった。

つまり、大型車交通量の区分ごとに設計輪荷重の大きさを変えて、それが100 万回載荷すると舗装は壊れるという考え方である。

その後、昭和53 年(1978)にTA の考え方は再度改訂された。(現行のもの)改訂内容の説明文は下記のとおりである。

②『舗装』日本道路協会、1978(S53).7 月号より、アスファルト舗装要綱改訂の記事

ここでは、①のように設計輪荷重P の大きさで交通量区分を色分けするのではなく、輪数に換算して色分けをする考え方に改訂された。(現行の考え方になった。)

つまり、10 年で100 万回の輪荷重が載荷すると舗装は破壊するという想定が源流となっている。

言い換えれば、『10 年で100 万回の輪荷重が載荷すると舗装は破壊する』という想定を、実測データによる検証を積み重ねて、ふさわしいものと位置づけている。

それでは、『10 年で100 万回の輪荷重が載荷すると舗装は破壊する』という考え方の出処はどこか調べてみると、1964年(S39)に発表された論文を発見した。

CBR法の拡張 竹下春見(土と基礎 1964.6月)

「一応100万回をとる場合が多いようである。」最上流の源流は、何とも、もやっとした感じであった。

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